行政刷新会議事業仕分け「次世代スーパーコンピューティング技術の推進」 に関する声明(HPC研究会運営委員有志一同)


平成21年11月13日、行政刷新会議事業仕分けにおいて、「独立行政 法人理化学研究所1(次世代スーパーコンピューティング技術の推進)」は 「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」という、極めて厳しい判断 を受けました。この判断は、日本における高性能コンピューティング及び計算 科学・計算工学の発展に関し重大な影響を及ぼすものと考えられます。言うま でもなく、HPC研究会は本件に深く関わる研究会であります。

この結果に対し、文部科学省ではパブリックコメントを募集しており、HPC研 究会運営委員会において議論した結果、何らかの声明文を表明し、これに応え るべきという結論に至りました。ただし、どのレベルで事業の推進に賛成・反 対すべきかについては多少意見が分かれる部分があり、また運営委員には企業 の立場からの参加者もいるため、運営委員会全員の総意として意見を取りまと めるには至りませんでした。このため、運営委員40名中34名の賛同者の名 前において「有志一同」として声明文を作成し、文部科学省に送りました。

昨今、本件に関する国民の関心は極めて高く、様々なレベルでの議論やイン ターネット上での書き込みが行われていますが、その中にはHPC技術やスパコ ンに関する知識そのものが誤っていたり、偏っていたりして、技術的な議論が 必ずしも正しく行われていない感があります。HPC研究会はこの分野の研究に 直接関わる多数の研究者が属する研究コミュニティであり、何らかの形でこう いった誤った概念や不完全な技術論に対する見識を示す必要があると考えま す。今回提出した声明文は、要点のみを書いたものであり、技術的背景や根拠 の説明が十分ではありません。そこで、今後、研究会ホームページを通じて、 声明文の各部分の意図説明や、上述のような議論に対し正しい知識を一般の方 々にも分かりやすく説明していこうと考えております。

『行政刷新会議事業仕分け「次世代スーパーコンピューティング技術の推 進」に関する声明』


updated: 2009/12/4
情報処理学会ハイパフォーマンスコンピューティング研究会